【意味】
えげつないとは、露骨で下品である意味。人に度を過ごして迷惑、不快の感じを与えるさま。特に、言い方や、やり方が露骨でいやらしい。ずうずうしく無遠慮である。思いやりがなく残酷である。
【語源・由来・成り立ち】
えげつないの語源・由来については、諸説がある。
好ましくない状態を意味するが、あくが強い味覚を表現する「えぐい、えごい」が、ひどい、残酷という意味で用いられた例が江戸時代にあり、この語が由来している説。
また、「いかつい(厳)」から派生したとする考え方もあるが、いずれにせよ「ない」は「はしたない」「せわしない」と同様に甚しいの意である。
【使い方・実例・用例】
*卍〔1928〜30〕〈谷崎潤一郎〉一五「それにしたかて外に何とかうそのつきやうもあるやないか、あんまりやり方がエゲツない」
*家族会議〔1935〕〈横光利一〉「『これは二つ切りの上等でっせ』『二つ切りでも、渋蛇の目やないと油が上手に上ってへんもん』『えげつないこといはんと、とっといとくなはれ』」
【漢字辞典】
「えげつない」の漢字表記はなし。