某【それがし】

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【意味】

某(それがし)とは、他称。名の不明な人・事物をばくぜんとさし示す。また、故意に名を伏せたり、名を明示する必要のない場合にも用いる。

【語源・由来・成り立ち】

某(それがし)の語源・由来について、「某」は一人称代名詞のこと。おなじく中古から用例のある「なにがし」と比べてみると、これらの語は「それ」「なに」と「がし」に分けることができる。古く語誌をみると、名の明らかでない人や事物を指したり、名を特定したくない場合に使ったりしていた。

中世には自称の用法が生じ、近世になると武士の自称となった。なお、「それがし」が自称にも用いられはじめたのは、「なにがし」の場合よりやや遅い。

【実例・用例】

*観智院本類聚名義抄〔1241〕「某甲 ソレカシ

*東京年中行事〔1911〕〈若月紫蘭〉七月暦「今年もそれが丁度盆の十六日に行はれたと、某(ソレガシ)の新聞紙に丈伝へられた」

【漢字辞典】

「それがし」を漢字で書くと「某」と表記する。

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