雀/スズメ(すずめ)

スポンサーリンク
 

【意味】

ハタオリドリ科の鳥。全長約一四センチメートル。頭は茶褐色、背面は褐色で黒色の縦斑(じゅうはん)があり、顔と腹面は灰白色。頬と喉に黒斑がある。人家付近にすみ、屋根がわらの下や石垣に枯れ草やわらで巣をつくる。群をなすことが多く、秋にイネなどの穀物に害を与えるが、繁殖期には害虫を捕食する。

ヨーロッパ・アジアに広く分布し、日本各地で最もふつうにみられる鳥で、昔から多くの物語に登場し親しまれる。二〇世紀になって北アメリカ、ニュージーランド、オーストラリアなどに輸入されて各地で増えている。スズメの近縁種は一四種が旧大陸に分布しており、ヨーロッパで人家付近にふつうにいるのはイエスズメである。学名はPasser montanus

【語源・由来】

「本草和名」には「和名 須々美」とあり、そのほか「観智院本名義抄」「色葉字類抄」にも「ススメ」「ススミ」の両訓があるから、古くはスズミの形も存在したと思われる。

人家や農耕地の近くにすむため、古くから身近な鳥として親しまれ、さまざまな形で文学に登場し、絵画にも好んで描かれる。また、その鳴き方や動作・営巣などによる吉凶占いや天候占いは古くから各地に伝わっている。食用としても珍重された。

魚・虫・植物などの名に「すずめ…」あるいは「すずめの…」(「すずめ鯛」「すずめ蛾」「すずめ瓜」「すずめの帷子」など)とつくものがあるが、これは「小さい」という意味を表わす場合もあるし、雀の姿や特徴との類似からきている場合もある。

【漢字辞典】

「スズメ」「すずめ」を漢字で書くと「雀」と表記する。

スポンサーリンク