鈴虫(すずむし)

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【意味】

松虫の古称。またはバッタ(直翅)目スズムシ科の昆虫。体長一・五〜二センチメートル。体は卵形で扁平、全体に暗褐色または黒褐色で、触角や脚の一部などは白い。はねは雌雄で異なり、雄の上ばねは幅広いが雌では狭い。触角は糸状で、きわめて長い。低木のまじる草むらにすみ、雄はリーン、リーンと澄んだ美しい声で鳴く。秋に鳴く虫の一つとして珍重される。本州以南に分布。学名はHomoeogryllus japonicus 《季・秋》

【語源・由来】

「鈴虫」と「松虫」の名は、いずれも中古の作品から現われるが、現在のように「リーン、リーン」と鳴くのを「鈴虫」、「チンチロリン」と鳴くのを「松虫」というように、鳴き声によって区別することができる文献は近世に入るまで見当たらない。そのうえ、近世の文献においても両者は混同されており、一概にどちらとも決め難い。初期俳諧でも、現在の鈴虫と解せる例と松虫と解せる例と両様である。しかし現在では、中古の作品に現われるものについては、「鈴虫」を「松虫」と、「松虫」を「鈴虫」と解するようになっている。→「まつむし(松虫)」の語誌。

【漢字辞典】

「すずむし」を漢字で書くと「鈴虫」と表記する。

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