【意味】
角隠し(つのかくし)とは、婚礼の際、新婦が用いる被物。揚帽子(あげぼうし)の変形という。表は白絹、裏は紅絹を用いてある。角帽子。
【語源・由来・成り立ち】
角隠し(つのかくし)の語源・由来について、江戸時代に女性の外出時の塵よけであったかぶり物、揚げ帽子が変化したものという。「角(つの)」は嫉妬した女性の形相が角のある鬼に似ていることから、女性の嫉妬や怒りのたとえとされている。
近世には嫉妬することを「角が生える」「角を生やす」と表現していた。「隠し」は動詞「隠す」の名詞化したもの。つまり、「角隠し」は女性の嫉妬心を隠すもののこと。このような嫉妬心を抱かず、慎み深くあるようにといういましめのため、結婚式の際にかぶったとされる。
【実例・用例】
*随筆・塵塚談〔1814〕下「一向宗門の婦人角かくしとかいふて綿ぼうしに似たるものを寺参りには必被る事是綿ぼうしの遺風なるべし」
【漢字辞典】
「つのかくし」を漢字で書くと「角隠し」と表記する。