【意味】
仁義を切る(じんぎをきる)とは、ばくち打ちや香具師(やし)などが初体面の挨拶をかわす。
【語源・由来・成り立ち】
仁義を切る(じんぎをきる)の語源・由来について、「仁義」はもともと儒教が説く「仁」と「義」であるが、「世間の仁義」のように言う場合は、世間一般の道徳の意味となる。
「仁義を切る」の「じんぎ」は、挨拶をすることを示す「じぎ(辞儀・辞宜)」に由来する。「切る」は「たんかを切る」などの「切る」と同じで、きっぱりとするということである。現代では、一般人でも俗語として、仕事上のことなどで、事が円滑に運ぶように同業者などに挨拶をしておくことをいう。
【実例・用例】
*人の命〔1950〕〈平林たい子〉「一番扉口に近い所に坐ってゐる五十がらみの男を監房長と素早く見て、早速型どほりの仁義を切りました」
*日本人のへそ〔1969〕〈井上ひさし〉一幕・二〇「会社員に向い、やくざのチンピラ風のこしらえの学生が仁義を切っている」
【漢字辞典】
「じんぎをきる」を漢字で書くと「仁義を切る」と表記する。