【意味】
論う(あげつらう)とは、物事の善悪・理非などについてあれこれ論ずる。物事の是非をただす。また、ささいな非などをことさらにとりたてて言う。
【語源・由来・成り立ち】
論う(あげつらう)の語源・由来について、「あげ」は「挙げ」、「つらふ」は「言いずらう」「引こずらう」などの「つらふ」で、動作や状態が強く長くつづくことを表わし、本来はマイナスのイメージはない。
古く、書紀古訓の外には、古辞書や訓点資料に見られるだけであるが、漢文訓読によって後世に伝わった。近世以後文章語として復活したが、非難をこめて述べ立てるという、マイナスの意味合いになるのが普通である。
【実例・用例】
*滑稽本・八笑人〔1820〜49〕三・追加下「昼夜をわかたぬ種々の、見せもの茶見せ諸商人、あげつらふにいとまはあらねど」
*当世書生気質〔1885〜86〕〈坪内逍遙〉一八「ちかごろ風俗改良の説盛んに興りて、上は婦人(ぢょちう)達の結髪(かみ)の風より、下は日本下駄の不便利まで、人のあげつらふ世の中とぞなりける」
【漢字辞典】
「あげつらう」を漢字で書くと「論う」と表記する。