【意味】
悪貨は良貨を駆逐する(あっかはりょうかをくちくする)とは、同一の名目価値をもちながら、実質的価値の違う貨幣が同時に一国内で流通する時には、良貨は貯蔵されて用いられなくなり、悪貨だけが市場に流通する傾向を生じる、ということ。いわゆる「グレシャムの法則」のこと。
【名前の由来語源・成り立ち】
悪貨は良貨を駆逐する(あっかはりょうかをくちくする)の名前の由来について、16世紀のイギリスの財政課ゲレシャムが唱えた、金本位制の経済学の法則。
額面が同じ2種類の金貨があると、金の量の少ない「悪貨」の方ばかり使われ、金の多い「良貨」は使われずにしまいこまれて、いくら良貨を発行しても流通せず、市場には悪質なものだけが出回るという法則。
英語ではBad money drives out good.という。日本語では特に貨幣に限らず、悪人がはびこるような治安の悪い状態を指すときにも用いられる。
【使い方・用例・実例】
*舗道雑記帖〔1933〕〈高田保〉モダン語一時間講義「悪貨は良貨を駆逐すとかや。まことにそれは真理であります」
【漢字辞典】
「あっかはりょうかをくちくする」を漢字で書くと「悪貨は良貨を駆逐する」と表記する。