【意味】
枠に紙を張り、中に油皿を置いて火をともす、室町・江戸時代の室内用照明器具のこと。
もと、さげて歩いたが、のちにはもっぱら室内に置いた。「ありあけ行灯」「かけ行灯」「じぐち行灯」「ろじ行灯」などの種類がある。あんど。あんどう。
【語源・由来】
あんどんの語源・由来は、持ち運びが出来る灯火という意味の「行灯」の名で、中国から伝わったが、その後、持ち歩くものは「提灯(ちょうちん)」となり、固定して使うものが「行灯」の名で呼ばれた。
【実例・用例】
*俳諧・鶉衣〔1727〜79〕後・上・五二・隠居弁「是非なき世の通称となりて、行灯(アンドン)挑灯の取ちがへも」
*真景累ケ淵〔1888〕〈三遊亭円朝〉四「ソレ行燈(アンドン)を其方へ遣っちまっちゃア見る事が出来やあしねえ」
【漢字辞典】
「あんどん」を漢字で書くと「行燈/行灯」と表記する。