【意味】
小豆の餡の中にころがして、外側に餡をつけた餠。近世、すすはらいの際の間食、また、贈り物に使われる風習があった。あんころ。あんもち。あんころばしもち。ぼたもち。
【語源・由来】
あんころもちの語源・由来について、もともと餅の外側をくるんでいる餡が衣(ころも)のようにみえるため「餡衣餅(あんころももち)」と呼ばれるようになった。その後、「ころも」の「も」が省略され「あんころ餅」になった説も有力である。
一方で、あんころ餅は「餡転餅」と漢字表記されたり、「あんころばし餅」などとも呼ばれることや、さらには外側に餡をつけときの小豆餡の中で転がすことなどから、「ころ」は「転がす」の「ころ」の意味であるととらえてもよい。
【実例・用例】
*咄本・万の宝〔1780〕隠里の大道「景物 あんころ餠」
*思出の記〔1900〜01〕〈徳富蘆花〉五・三「或は母の懐に帰省して飽くまで餡ころ餠を喰ひ」
【漢字辞典】
「あんころもち」を漢字で書くと「餡ころ餅」と表記する。