【意味】
相手に対する感謝の気持ちを表すあいさつの言葉。
(形容詞「ありがたい」の連用形「ありがたく」のウ音便)かたじけない、うれしく思うなど、相手に対する感謝の気持を表わす、挨拶のことば。感動詞的にも用いる。
【語源・由来】
ありがとうの語源・由来について、形容詞「有り難し(ありがたし)」の連用形「有り難く」がウ音便化したものである。
「有り難し」とは、本来「有ること」が「難い(かたい)」、すなわち「滅多にない」や「珍しくて貴重だ」という意味であった。
中世になり、仏の慈悲など貴重で得難いものを自分は得ているというところから、宗教的な感謝の気持ちをいうようになり、近世以降、感謝の意味として一般にも広がった。
感謝の意を直接に述べず、仏教用語である婉曲的な表現が日本語の感謝の意味を表す語になっているのは、他の言語と比較しても非常に面白い。
しかし感謝の意を表す言葉は方言などを含め多岐に及んでおり、「ありがとう」が日本全国で感謝の意味を持つ筆頭単語として使われだしたのは最近のことである。
【実例・用例】
*洒落本・色深睡夢〔1826〕上「柳さんおありがたう。お粂(くめ)はん大角さん、と挨拶追従あへまぜに みなみな立ておりる」
*浮雲〔1887〜89〕〈二葉亭四迷〉一・三「『淋敷(さみしく)ってならないから些(ちっ)とお噺しに入っしゃいな』『エ多謝(アリガタ)う、だが最(も)う些と後にしませう』」
【漢字辞典】
「ありがとう」を漢字で書くと「有難う」と表記する。