【意味】
ウスバカゲロウの幼虫で、体長約1センチ。はさみのような一対の牙を有している。
【語源・由来】
ありじごくの語源・由来について、「蟻地獄」はウスバカゲロウ類の幼虫が地面に掘ったりスリ鉢状の巣穴またはその幼虫の総称で,英名でも「ant lion(アリのライオン)」と呼ばれている。
縁の下などで普通に見られる蟻地獄は主としてウスバカゲロウという種類で,名の由来は「薄馬鹿-下郎」ではなく,成虫の透明な翅による「薄羽-蜉蝣(カゲロウ)」である。
また各地にさまざまな命名法による方言形がみられる。
口の形が牛の角を連想させることからウシムシ、ベコ。巣の形状からスリバチムシ、クボクボ、コボコボ。後退しかできないことからアトサリムシ、シンジョリムシ。
田植えでの後退する動作にみたてたサオトメ、ショートメ。連想によって山鳩の鳴き声と結びつけたテテッポ。
子供の遊びでの蟻地獄に対する囃しことばによるカッコ、ハッコ。方言量の多い語例の一つとして有名である。
【実例・由来】
*あらたま〔1921〕〈斎藤茂吉〉初夏「梅の木かげのかわける砂に蟻地獄(アリヂゴク)こもるもさびし夏さりにけり」
*万両〔1931〕〈阿波野青畝〉「蟻地獄みな生きてゐる伽藍かな」
【漢字辞典】
「ありじごく」を漢字で書くと「蟻地獄」と表記する。