【意味】
足を洗うとは、悪事をはたらく世界から堅気にもどる。
【名前の由来語源・成り立ち】
足を洗うの名前の由来について、もとは、仏教から来た言葉で、昔の僧は、修行のために裸足で外を歩いていた。
仏教の思想では、寺の中を救いの世界、寺の外を迷いの世界としており、裸足で修行に歩いた僧は、寺に入る前に足を洗うことで俗世界の煩悩を洗い清めていたとされる。このような習慣から、悪い行いをやめるの意を持つ言葉になっていった。
さらに、江戸時代になると、遊女が身請けされたり年季が明けたりして郭(くるわ)を出るとき、門の外にある井戸で足を洗うことを「足洗い」といい、それまでの境遇を抜け出し、堅気になることを「足を洗う」というようになった。
【使い方・用例・実例】
*破戒〔1906〕〈島崎藤村〉一三・四「何時(いつ)まで政界に泳いで居る積りは無いのです。一日も早く足を洗ひたいと」
【漢字辞典】
「あしをあらう」を漢字で書くと「足を洗う」と表記する。