【意味】
相手をけん制したり、探ったりすることを目的として、仮に立てられる対抗者。
【語源・由来・成り立ち】
当て馬(あてうま)の語源・由来については、もともと当て馬は種付けのときに、牝馬が発情しているのかを調べたり、発情を促すための牡馬をさす。牝馬の発情がわかったら、役割を終えてその当て馬は引き離されることになる。
これが派生した言葉として定着しているが、とくにスポーツの分野で仮の選手を挙げておいて相手の出方を待ちつつ、相手の選手が発表された後に正式な選手を決めるときの仮の選手として使われるようになった。
【使い方・実例・用例】
*真理の春〔1930〕〈細田民樹〉森井コンツェルン・二二「自分が当座のみじめな『あて馬(ウマ)』に過ぎないことは、少しも知らないのであった」
*秋の一夜〔1954〕〈中野重治〉「昔の師範学校からきたような人がいて、なるほど悪い意味のボスで不愉快なときがある。すると学生が、選挙に木村を立ててアテ馬に使う」
【漢字辞典】
「あてうま」を漢字で書くと「当て馬」と表記する。