【意味】
駄賃(だちん)とは、人に簡単な仕事を頼んで支払う賃金。特に子どもの使い走りや手つだいなどの礼として与える金銭や菓子。おだちん。
【語源・由来・成り立ち】
駄賃(だちん)の語源・由来について、もともとの意味は荷物や人を駄馬に乗せて運ぶときに支払う「運賃」のことをさし、運賃を乗り手からとって荷物を運ぶ馬を「駄賃馬(だちんうま)」と呼んだ。
馬に乗せて運ぶだけの仕事に対する賃金の意味から転じ、簡単な仕事に対して支払う報酬を「駄賃」と言うようになった。子どもの使いなど、少しばかりの仕事への報酬の意味で使われ出したのは、江戸時代からとされる。
【実例・用例】
*人情本・英対暖語〔1838〕五・二五回「これは雪が降るのにお頼み申から賃銭(ダチン)だよ」
*たけくらべ〔1895〜96〕〈樋口一葉〉一〇「頭の家の赤ん坊が守(も)りをして二銭が駄賃(ダチン)をうれしがり」
【漢字辞典】
「だちん」を漢字で書くと「駄賃」と表記する。