【意味】
疑獄(ぎごく)とは、政治にからむ大規模な贈収賄事件。
【語源・由来・成り立ち】
疑獄(ぎごく)の語源・由来について、「疑」は、うたがわしい意味。「獄」はとげとげしくいがみある裁判や、ゴツゴツとした牢屋の意をあらわす。
「疑獄」とは、本来は古く中国において犯罪事実がはっきりせず、有罪か無罪か判決のしにくい裁判事件のことを言った。現在日本では、明治時代より有罪無罪の判断が困難な大がかりな贈収賄事件のことをいう。
政治問題にからむような規模が大きな賄賂事件は権力のある人物がかかわってくることもあって手を下しにくく、有罪か無罪かの判断が難しくなるところから「疑獄」と呼ばれるようになった。
【使い方・実例・用例】
*それから〔1909〕〈夏目漱石〉八「日糖事件〈略〉世間ではこれを大疑獄(だいギゴク)の様に囃し立てる様になった」
*故旧忘れ得べき〔1935〜36〕〈高見順〉六「篠原の父親は疑獄事件に連坐して引致された」
*北東の風〔1937〕〈久板栄二郎〉一幕「それに何せ、古い政治家共が、疑獄だ収賄だで悪い事ばっかりしよるもんやから」
【漢字辞典】
「ぎごく」を漢字で書くと「疑獄」と表記する。