【意味】
かごぬけさぎとは、詐欺の一種。無関係な会社などの一室を利用し、あたかも自分がそこの関係者であるかのようにふるまって客からは金品をあずかり、裏口などから逃げてしまうもの。
【語源・由来・成り立ち】
かごぬけさぎの語源・由来について、「籠抜け」「籠脱け」は江戸時代の軽業の一種で、細い竹籠の中をくぐり抜ける芸のこと。つまり、籠や建物の中に入って中にいるとみせかけて別の出入り口からこっそりと出る意味に用いられたものである。
このように近世「かご抜け」は芸だけでなく、他人の目をあざむく場合にも用いられるようになっていた。これに「詐欺」が付いて「籠抜け詐欺」と定着するのは大正時代以降である。
【実例・用例】
*社交用語の字引〔1925〕〈鈴木一意〉「籠抜詐欺(カゴヌケサギ)」
*へのへのもへじ〔1952〕〈林二九太〉「いや、実は松崎富士男と云う男が、一昨日、築地の某旅館で、高級写真機の籠抜詐欺をしたのが発覚して、しょっぴいたんですが」
【漢字辞典】
「かごぬけさぎ」を漢字で書くと「籠脱け詐欺」「籠抜け詐欺」と表記する。