【意味】
懐石(かいせき)とは、茶の湯で茶の前に出す簡素な料理。
【語源・由来・成り立ち】
懐石(かいせき)の語源・由来について、禅寺の雲水が厳しい修行の際に、空腹をいやすため懐に温石(おんじゃく)を入れ、暖めて凌いだのが、のちに懐石料理と呼ばれる由来となった。
茶の席ではあまりに空腹では味が楽しめないために、質素な懐石料理で空腹を満たす。現在では宴の席を「会席料理」、お茶の席を「懐石料理」と区別している。
【使い方・実例・用例】
*南方録〔17C後〕墨引「さて程を見合(みあわせ)炭をして、懐石を出す也。中立(なかだち)等別義なし。惣て座をゆるゆるとする心得也」
*湯葉〔1960〕〈芝木好子〉「根岸の宇治の里、両国の小笹はいずれも精進料理、懐石では名の通った料亭とされていた」
【漢字辞典】
「かいせき」を漢字で書くと「懐石」と表記する。