【意味】
カキツバタとは、アヤメ科の多年草。湿地に群生し、5月から6月にかけて紫色の花を付ける。
【語源・由来・成り立ち】
カキツバタの語源・由来について、古くは「カキツハタ」と清音で濁っていなかった。名前については、諸説ある。ひとつは、垣根の端に生えることから「垣つ端(カキツハタ)」とする説である。
二つ目は、三河国八橋(現在の知立市八橋)が『伊勢物語』で、在原業平(ありわらのなりひら)がカキツバタの歌の頭文字に由来しているとされる。業平が詠んだ歌は以下の通り。
から衣
きつつなれにし
つましあれば
はるばる来ぬる
たびをしぞ思ふ
【実例・用例】
*伊勢物語〔10C前〕九「沢のほとりの木の蔭に下りゐて、乾飯(かれいひ)食ひけり。その沢にかきつばたいとおもしろく咲きたり」
【漢字辞典】
「カキツバタ」「かきつばた」を漢字で書くと「燕子花」「杜若」と表記する。