【意味】
完璧(かんぺき)とは、欠点や不足がなく、非常に立派なさま。
【語源・由来・成り立ち】
完璧(かんぺき)の語源・由来について、「璧(へき)」は宝玉のことで、完璧は「傷のない玉」が本来の意味である。
もともとは中国の故事に由来する。中国戦国時代の秦(しん)の国王は、趙の有名な宝玉である「和氏の璧」が欲しくなり、「秦の15の城と交換したい」と嘘の話をもちかけて、だまし取ろうとした。しかし、趙の使者の藺相如の気転で、無事に秦の国王の魔の手から「璧」をまっとううした故事(=完璧而帰)から生まれた。のちに大事なことを成し遂げることや、欠点が全くないさまを表すようになった。
日本では、瑕(きず)のない完全無欠の璧の意味と解釈され、完全で欠けたところのないさまを言うようになった。「璧」は美しい玉器のこと。
【実例・用例】
*花柳春話〔1878〜79〕〈織田純一郎訳〉四八「万事完璧(クヮンペキ)を得ること能はす」
善財〔1949〕〈石川淳〉一「毒気は猛火よりもひどく、草を焼き、ひとを殺し、完璧に愛国心をほろぼした」
【漢字辞典】
「かんぺき」を漢字で書くと「完璧」と表記する。