【意味】
くちなしとは、アカネ科の常緑低木。本州中部以南、四国、九州の暖地の主として海岸に近い林に生え、また、庭木、切り花用として栽培される。
【語源・由来・成り立ち】
くちなしの語源・由来については、諸説ある。
①果実が熟しても裂けたりはじけたりしないので、口が無い「口無」の説
②果実の頂点に残る萼を鳥のくちばし、果実自体を梨に見立てて、口のある梨「口梨」の説である。
広く一般的には、①「口無」の説がよく使われている。
【使い方・実例・用例】
*日本書紀〔720〕天武一〇年八月(北野本訓)「土毛(くにつもの)は支子(クチナシ)莞子(かま)及び種々の海つ物等多(にへさ)なり」
*俳諧・新花摘〔1784〕「口なしの花さくかたや日にうとき」
【漢字辞典】
「くちなし」「クチナシ」を漢字で書くと「梔」「梔子」「山梔子」と表記する。