【意味】
管を巻く(くだをまく)とは、酔っ払いなどが、わけのわからないことやくだらない愚痴をくりかえすことをいう。
【語源・由来・成り立ち】
管を巻く(くだをまく)の語源・由来について、江戸初期にはすでに現在と同じような意味で使われていたとされる。
語源には諸説あり、一つには、くどくて煩わしいことをいう「くだくだしい」に由来する説である。もう一つは、「管を巻く」の文字とおり、機織で使う道具、糸車の「管(くだ)」が元になっているともいわれている。
この「管」とは、糸車を使い糸を紡いだり、糸を巻きつける道具のこと。機織の杼に入れてよこ糸として使う前に、この管に糸を巻きつけるが、「ぶうんぶうん」と単調な音をたて、延々と作業が続く。この様子が「酒によってつまらないことをくどくどという」さまに似ていることにちなんで名づけられた。
【使い方・実例・用例】
*滑稽本・東海道中膝栗毛〔1802〜09〕三・下「酒によった人はくだをまくが、茶によった証拠には、ちゃばかりいふがくせでならぬ」
*遺言〔1900〕〈国木田独歩〉「中には呂れつの廻らぬ舌で管(クダ)を巻て居る者もある」
【漢字辞典】
「くだをまく」を漢字で書くと「管を巻く」「管をまく」と表記する。