【意味】
もっけのさいわいとは、想像もしなかったことが身に幸福をもたらすこと。思いがけなく得た幸い。物怪重宝。
【名前の由来語源・成り立ち】
もっけのさいわいの名前の由来について、「もっけ」とは妖怪のこと。平安時代には、人にとりついて祟りをもたらす死霊や生霊を「もののけ(物の怪)」といい、それが「もっけ(勿怪)」と変化した。
室町時代になると、妖怪の出現は思いもよらないことから、思いがけないこと、予期しないことへと意味が転じた。もとは不吉なことをいったが、しだいによい意味で「もっけの幸い」のように用いられるようになった。
【用例・実例】
*寒山拾得〔1916〕〈森鴎外〉「不潔な水でなかったのは、閭がためには勿怪(モッケ)の幸(サイハヒ)であった」
【漢字辞典】
「もっけのさいわい」を漢字で書くと「物怪の幸い」と表記する。