【意味】
汝 (なんじ)とは、対称。上代古くは、相手を尊敬して呼んだ語と推定されるが、奈良時代以降、対等またはそれ以下の相手に対して用いられ、中世以降は、目下の者に対する、もっとも一般的な代名詞として用いられる。
【名前の由来語源・成り立ち】
汝 (なんじ)の名前の由来語源について、本来は「なむち(汝貴)」とされる。「な」はとくに目下や親しい者に向けられた二人称代名詞、「むち」は尊い者の意で、神名の下に付けるなどして使用された。
語形は「なむち」→「なむぢ」→「なんじ」と変化した。
当初は尊敬の意を含んでいたと考えられるが、早くに敬意は薄れたようで、対等かそれ以下の者に対して用いられるようになった。
【使い方・用例・実例】
*尋常小学読本〔1887〕〈文部省〉五「蟹よ、汝の歩み方は、進むのか、退くのか」
【漢字辞典】
「なんじ」を漢字で書くと「汝」「蟹」と表記する。