【意味】
梨のつぶて (なしのつぶて)とは、音沙汰のないこと。音信のないこと。投げた礫(つぶて)はかえらないところから、「梨」を「無し」にかけて語呂を合わせていう。「なしの礫もない」の形で、意味をさらに強めていう。
【名前の由来語源・成り立ち】
梨のつぶて (なしのつぶて)の名前の由来語源について、「梨」は同音の「無し」に掛けた語呂合わせ。「つぶて(礫)」は投げられた小石のことで、投げた小石が返ってこないこと。そこから、まったく音沙汰(音信)がないことの意を表すようになった。
【使い方・用例・実例】
*妻木〔1904〜06〕〈松瀬青々〉冬「あて事もなしの礫やとしの暮」
*他人の顔〔1964〕〈安部公房〉灰色のノート「まさか梨の礫などということはあり得ない」
【漢字辞典】
「なしのつぶて」を漢字で書くと「梨の礫」と表記する。