【意味】
鯖を読む(さばをよむ)とは、物を数えるとき、ごまかして数える。
【語源・由来・成り立ち】
鯖を読む(さばをよむ)の語源・由来について、鯖(サバ)はいたみが早い魚でのため、魚市場では急いで数える。そのときに数をごまかしたことが由来とされる。
ほかの語源は、鯖ではなく禅宗寺院などで行われる「生飯(さば)」作法がある。食事のときに僧侶は餓鬼に布施するために5粒程の飯粒をより分ける。この作法を「生飯をよる」と呼び、転じて「鯖を読む」になった。
【実例・用例】
*道草〔1915〕〈夏目漱石〉二八「彼は健三に其寄席で聴いたしかをどりとかいふ三味線の手を教へたり、又はさばを読むといふ隠語などを習ひ覚えさせたりした」
*硝酸銀〔1966〕〈藤枝静男〉二「年齢が一年足りないため、役場の戸籍係りにかけ合って出生をそれだけ繰りあげて記録しなおしてもらうことが目的であった。それは成功し〈略〉このため彼は死ぬまで一年サバをよんで人とつき合い通したのであった」
【漢字辞典】
「さばをよむ」を漢字で書くと「鯖を読む」と表記する。