【意味】
生存競争(せいぞんきょうそう)とは、マルサスの人口論からヒントを得たといわれるダーウィンの進化論の中心概念。生物のすべての種は多産性を原則とするので、限られた自然環境内で生存し子孫を残すためには、同種または異種の個体間で食物や生息空間で共通の要求をもつ場合、これらの生息条件を奪いあう形になる。これを競争に見立てていう。ダーウィンはこれに基づいて自然選択説を立てた。また、人間社会で生活のために生ずる競争の意にもいう。
【語源・由来】
struggle for existence を和訳したものが「生存競争」である。明治一二年(一八七九)頃、加藤弘之によって造られた訳語だと言われる。挙例の「人権新説」には数多くの用例が見られ、社会に大きな反響をまき起した書物であるところから、早くに一般化したと思われる。
【漢字辞典】
「せいぞんきょうそう」を漢字で書くと「生存競争」と表記する。