拙者(せっしゃ)

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【意味】

拙者(せっしゃ)とは、自分をけんそんしていう語。目上に対して多く武士が用いた。拙身。

【語源・由来】

古い書物である「明応本節用集」に「拙者(セッシャ)自卑下辞」とあるように謙譲の一人称代名詞として、男性、それも、挙例の「天草本平家」が平忠盛の言葉であるように、主に武士によって使用された。

近世前期上方語でも、使用者はほぼ武士に限られ、目上に対して用いる、高い待遇価値を有した語であったと考えられるが、町人男性が堅い表現の場合に使用した例もいくらか見られる。

近世後期江戸語では、主に武士に使用されるという点は変わらないものの、目下に対して用いた例も見られるところから、待遇価値は近世前期に比べて低くなっていると考えられる。また、「人情本・仮名文章娘節用‐前・二回」の「拙者がお宿の山の神も、尻をまくってにげ出すばかり」のように、幇間などが宴席で故意におどけて使用した例も見られる。

【漢字辞典】

「せっしゃ」を漢字で書くと「拙者」と表記する。

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