【意味】
鹿爪らしい(しかつめらしい)とは、もっともらしい。堅苦しくまじめくさった感じがする。まじめぶっている。形式ばっている。
【語源・由来・成り立ち】
鹿爪らしい(しかつめらしい)の語源・由来とは、もともと、ことわざである「しかりつべしい」が「しかつべしい」を経て、「しかつべらしい」に変化し、その後m音とb音の交替で「しかつめらしい」へと変化したものといわれる。
あるいは、「しかありつべくあるらし」がもとで、「しかつべうあらし」→「しかつべえらし」→「しかつべらし」→「しかつめらし」と変化したものとも考えられる。その過程で語義も「当然そうである」から「もっともらしい」、さらには「まじめくさっている」意へと変化していったと思われる。
【使い方・実例・用例】
*吾輩は猫である〔1905〜06〕〈夏目漱石〉六「白い小倉の袴のゴワゴワするのを御苦労にも鹿爪らしく穿いて居る所は」
*苦の世界〔1918〜21〕〈宇野浩二〉五・二「『昨日風呂屋でだよ』と六郎はしかづめらしい顔になっていった」
【漢字辞典】
「しかつめらしい」を漢字で書くと「鹿爪らしい」と表記する。