【意味】
しこたまとは、数量が非常に多いさまをいう俗語。たくさん。どっさり。しごくだま。しこだめ。「しこたま酒を飲む」はよく使われる用例である。
【語源・由来・成り立ち】
しこたまの語源・由来について、「しこ」は「これしかない」などと使われる「しか」を指し、相撲の「四股」が当て字として使われていたこともあり、そこから派生し、重さなどの量の意味が強まったとされる。一方の「たま」は「しこたま」と同じような意味で使われる「たんまり」が略された語である。
別の説もあり、どっさりためる意の上方語、マ行下二段活用の動詞シコタメルの連用形シコタメが江戸語で母音交替してシコタマとなったものとされる。
【実例・用例】
*当世書生気質〔1885〜86〕〈坪内逍遙〉一「人力夫がどれもどれも、しこたま顧客を得たらんには、我緊要なる生産資本も、無為に半額は費へつべく」
*牛山ホテル〔1929〕〈岸田国士〉三「金持から治療代をしこたまふんだくってたんだからね」
【漢字辞典】
「しこたま」の漢字表記は不明。