【意味】
しなをつくるとは、女性が色っぽく媚びる(こびる)ような様子を見せること。
【語源・由来・成り立ち】
しなをつくるの語源・由来について、「しな」は本来階段状であることを表していたとされるが、等級や品格、さらに態度、しぐさも意味するようになった。男を誘う特別なしぐさを意識的にとるということから、今の慣用句が生じたものだろう。
「科」の字は、シナと訓んで等級を表す意味があるので、これを当てたものである。
【実例・用例】
*土〔1910〕〈長塚節〉一八「おつぎはどうかすると目の辺に在る雀斑(そばかす)が一種の嬌態(シナ)を作って甘えたやうな口の利方をするのであった」
*波〔1928〕〈山本有三〉子・三・一四「彼女は右の肩をちょっと上げて、子供のやうな科(シナ)を作った」
【漢字辞典】
「しなをつくる」を漢字で書くと「品を作る」「科を作る」と表記する。