【意味】
真打ち(しんうち)とは、落語や講談などの寄席で最後に出演するもっとも芸の優れた人。とくに落語家の最高の資格を言う。
【語源・由来・成り立ち】
真打ち(しんうち)の語源・由来については諸説ある。昔の寄席の高座には、照明用に蝋燭(ろうそく)が立っており、寄席が終わると最後の出演者が蝋燭の芯を打つ(切って消すこと)ことをしたために「芯打ち」といわれた。これに縁起を担いで、字を「芯」から「真」に変えて、「真打ち」となったといわれる。
また、芝居や寄席などの興行をすることを「打つ」といい、興行の中心となって寄席の最後に出演することを「真を打つ」と言ったことによってできたという説も有力である。
【実例・用例】
*末枯〔1917〕〈久保田万太郎〉「このごろの若い真打(シンウチ)の問題にならないほどてくなことや」
*蔵の中〔1918〜19〕〈宇野浩二〉「その女がどこかの寄席で真打(シンウチ)を語ってゐるのをはからずも見まして」
【漢字辞典】
「しんうち」を漢字で書くと「真打ち」と表記する。