草子/草紙/冊子【そうし】

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【意味】

草子/草紙/冊子(そうし)とは、
①紙をとじ合わせて本の体裁にしたもの。
②物語、日記、歌書など和文で記された書物の総称。
③書き散らした原稿。草案。また、心覚え。
④御伽草子や草双紙などの絵本やさし絵入りの小説本の総称。
⑤字などを習うための帳面。手習い草紙。

【語源・由来・成り立ち】

もともとは、①のように、巻物に対して、紙をとじ合わせた本をいった。これは平安時代中頃から盛んに作られ、②の仮名で書かれた日記・物語・随筆・歌集などの多くが、この仕立だったので、公的なものに対する私的なもの、簡略でとりとめないものなどと考えられるようになり、③の意が生じ「草子」「草紙」の表記が行なわれるようになった。

室町期以後、非知識層を対象とした気楽な読み物の意が一般化し、「物の本」に対する語として、④の文学ジャンルを広くさす名称となった。また、⑤は①の形が用いられている故に生じた意味である。

【実例・用例】

*十六夜日記〔1279〜82頃〕「代々にかきおかれけるうたのさうしどものおくがきなどして、あだならぬかぎりをえりしたためて」

【漢字辞典】

「そうし」を漢字で書くと「草子」「草紙」「冊子」と表記する。

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