【意味】
足袋(たび)とは、たびのこと。したうず。
【語源・由来・成り立ち】
足袋(たび)の語源・由来について、もともと襪(しとうず)を履いていた公家に対して、武家が主に着用したのが『単皮 (たんび)』である。
平安時代の『倭名抄』には、「町人は鹿皮を以て半靴(はんか)を為(つく)る。名付けて単皮(たんび)と日う」という記述が残っている。単(ひとえ)の皮を使った、今でいう靴のようなもので、その「たんび」が後に「たび」に変化したという説がある。
ほかの説としては、足袋の形を鼻に見立て、両足揃うと4つの鼻に見えるために「多鼻」となったという説、旅に出る際に足を痛めないよう鹿皮でできた袋で足を包んで出かけ、この旅沓(たびぐつ)を略して「たび」→「足袋」と変化したという説がある。
【実例・用例】
*能因本枕草子〔10C終〕一三七・などて、官得はじめたる「『指貫も、なぞ。足の袋、もしはさやうのものは、あしふくろなども言へかし』など、よろづのことを言ひののしるを」
*御伽草子・調度歌合(類従所収)〔室町中〕「したうづ。うらみずやさても難波の足袋つぶぶしのまもあはぬつらさを」
【漢字辞典】
「たび」を漢字で書くと「足袋」と表記する。