【意味】
玉に瑕(たまにきず)とは、ほとんど完全である中に、たまたま一つだけあるわずかな欠点。立派なもの、善美なものにある一つの惜しい欠点。玉のきず。
【語源・由来・成り立ち】
玉に瑕(たまにきず)の語源・由来について、「玉」は宝石類の総称で完ぺきなもののたとえ、「瑕」は玉の表面についたきずのことで、過失や欠陥という意味もある。
美しい宝石(玉)にほんの少しだけきずがあるという意から、転じて、それさえなければ完全であるのに、ほんのわずかな欠点があることをいう。中国の『論衡(ろんこう)』『淮南子(えなんじ)』などにある言葉である。
【使い方・実例・用例】
*浮雲〔1887〜89〕〈二葉亭四迷〉一・六「唯物喰ひの悪いのが可惜(あったら)瑜(タマ)に疵(キズ)だって」
*吉田健一〔1954〕〈河上徹太郎〉「うまいのをふんだんにごちそうされるのはありがたいが、夜の講演会があるのが玉にキズである」
【漢字辞典】
「たまにきず」を漢字で書くと「玉に瑕」と表記する。