【意味】
手練れ(てだれ)とは、腕前がすぐれていること。
【語源・由来・成り立ち】
手練れ(てだれ)の語源・由来について、手が技能に十分足り備わっているという意味の「てだり(手足)[てたり]」の変化した語である。「て」は仕事などをする能力の意味であり、「手利き(てきき)」などと同じ。「たり」は「足る」の連用形で、十分の意味である。
「てだれ」は『平家物語』にも書かれてあり、このころから使われていたことがわかる。現代では、「手練ぞ身ゆる」(泉鏡花)のように、「手練れ」の表記も見られる。
【実例・用例】
*浮世草子・傾城禁短気〔1711〕一・三「太夫は名におふ手だれ」
*島崎藤村〔1946〜56〕〈平野謙〉新生「宇野浩二が〈略〉実作者として手だれのふるつわものであることは、誰でも知っている」
【漢字辞典】
「てだれ」を漢字で書くと「手足れ」「手練れ」と表記する。