【意味】
体たらく(ていたらく)とは、ひどいありさまのこと。近世以後は、あまりよくない有様や、その様子を軽蔑したり悪くいったりする場合に用いるようになった。
【語源・由来・成り立ち】
体たらく(ていたらく)の語源・由来について、「てい」は「体」の漢音読みで、様子という意味。「たらく」は断定の助動詞「たり」に接頭語「く」を付けて名詞にしたもので、「であること」の意味である。
中世では、単に様子やあり様の意味で用いられていたが、とくに悪い意味は持っていなかった。現在のように、あまり好ましくない様子をさして用いられるようになるのは、近世以降のことである。
【使い方・実例・用例】
*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕四・三「顔を擦剥き足を打破り、術なさうな体たらくぢゃ」
*吾輩は猫である〔1905〜06〕〈夏目漱石〉五「小供の方はと見ると是も親に劣らぬ体たらくで寝そべって居る」
【漢字辞典】
「ていたらく」を漢字で書くと「体たらく」「為体」と表記する。