【意味】
鶴の一声(つるのひとこえ)とは、衆人の千言を一声で鎮めるようなすぐれた声。有力者、権威者の一言。
【語源・由来・成り立ち】
鶴の一声(つるのひとこえ)の語源・由来について、古くは「雀の千声より鶴の一声聞かまほしさよ」の詩にみられるように、対になったかたちで現れることが多い。
これはスズメのような小さなたくさんの声よりも、ツルのような四方に鳴り響く、かん高い一声のほうが勝る(まさる)意味であり、実力者の一声の効力のたとえとなった。
【使い方・実例・用例】
*歌舞伎・網模様燈籠菊桐(小猿七之助)〔1857〕二幕「鶴(ツル)の一声(コヱ)はははっと控へる郎党」
*シベリヤ物語〔1950〜54〕〈長谷川四郎〉ナスンポ「くだんのソビエト主計将校は廻れ右をして、日本人の主計将校のところへ行き、大きな拳をつきつけて、こう言った。〈略〉鶴の一声だった」
【漢字辞典】
「つるのひとこえ」を漢字で書くと「鶴の一声」と表記する。