【意味】
かどわかすとは、人をむりやりに、または、だまして他へ連れ去る。誘拐(ゆうかい)する。かどわす。かどう。かだす。
【語源・由来・成り立ち】
かどわかすの語源・由来について、もともと「拐」(かたる、かどわカス)という漢字は「手」+「咼」の変形したもので構成されており、この「咼」は関節の骨という意味を持つ曲がりくねって入る(骨)という意味から、複雑な手法を用いて引っ張り込む、だます様子をかどわかすと言うようになった。
「かどふ」に「す」のついた「かどはす」は院政期から見られるが、「かどはかす」は室町時代からで、「日葡辞書」には「カドウ」「カドイイダス」とともに「カドワカス」が立項されている。
【実例・用例】
*和英語林集成(再版)〔1872〕「コドモヲkadowakasu (カドワカス)」
*火の柱〔1904〕〈木下尚江〉一二「芸妓を誘拐(カドワカ)して妾にする如き乱暴漢(ならずもの)が」
【漢字辞典】
「かどわかす」を漢字で書くと「拐かす」「勾引かす」と表記する。