【意味】
ぞっとしないとは、あまり感心しない。いい気持がしない。
【語源・由来・成り立ち】
ぞっとしないの語源・由来について、「そっとしない」の「ぞっと」は擬態語(=物事の状態や様子などを感覚的に音声化して表現する語)である。今では「ぞっとする」といえば、身の毛もよだつような恐ろしさの形容に用いられるが、近世では美しさのあまりに感動して、ぞっとするという用法もあった。
この用例は江戸末期までみられた。ちなみに「ぞっとしない」はこれを打ち消した語である。
【実例・用例】
*草枕〔1906〕〈夏目漱石〉五「然もそれを濡らした水は、幾日前に汲んだ、溜め置きかと考へると、余りぞっとしない」
*すみだ川〔1909〕〈永井荷風〉一「大概はぞっとしない女房ばかりなので」
*他人の顔〔1964〕〈安部公房〉黒いノート「繃帯も、ぞっとしないだろうが」
【漢字辞典】
「ぞっとしない」の漢字表記は不明。