【意味】
愁嘆場(しゅうたんば)とは、芝居で、登場人物が嘆き悲しむ所作のある場面。転じて、実生活上の悲劇的な局面にもいう。愁嘆。用例は「愁嘆場を演じる」など。
【語源・由来・成り立ち】
愁嘆場(しゅうたんば)の語源・由来について、「愁嘆」は泣き悲しむという意味で、漢籍にもみうけられる。
おもに近世以降に用いられており、芝居以外でも悲劇的な場面をさして呼ぶようになった。
【使い方・実例・用例】
*小説神髄〔1885〜86〕〈坪内逍遙〉下・脚色の法則「悲哀小説に於るもまた然り。いかに愁歎場(シウタンバ)が主なればとて徹頭徹尾悲凉惨憺悲しき事のみ多かりせば」
*竹沢先生と云ふ人〔1924〜25〕〈長与善郎〉竹沢先生と虚空・六「自分が飛んで行った時には妹さんの亡き骸はもう棺に納まってゐた。自分はこの愁嘆場を描写する事を省かう」
【漢字辞典】
「しゅうたんば」を漢字で書くと「愁嘆場」と表記する。