【意味】
猿ぐつわ(さるぐつわ)とは、声を立てさせないように、口の中に押し込んだり口に噛ませて後頭部にくくりつけたりしておくもの。
【語源・由来・成り立ち】
猿ぐつわ(さるぐつわ)の語源・由来について、「轡(くつわ)」は、「くちわ」が転じた語で、馬の口にはめる金具をさす。「猿」は馬と相性がよく、猿が厩にいるだけで馬が大人しくなったというエピソードから、二つの言葉が結び付いた。
その轡に結びつけ馬を操る綱を「手綱(たづな)」と呼ぶ。馬の進行を制御するとこから、転じて、人を動かして業況をコントロールすることを「手綱を締める」「手綱を緩める」という。
また、人が手綱をとっている馬の尻に乗ることを、分別もなく他人の言動に便乗するさまにたとえた語が「尻馬に乗る」。
【使い方・実例・用例】
よく使われる用例として「猿轡をかませる」のことわざがある。
*俳諧・玉海集〔1656〕四・冬「風口にはめよ木の葉の猿くつわ〈祖秀〉」
*浄瑠璃・双生隅田川〔1720〕三「はいがしらの左次太夫七八才の坊主子に、さるぐつわはませ手を引立」
【漢字辞典】
「さるぐつわ」を漢字で書くと「猿轡」と表記する。